こんにちは
最近、めっきり寒くなってきましたね。
「冷たいものを飲んだときにキーンとする」「歯みがき中にズキッとする」
場合によっては「冷たい空気を吸うだけでしみる！」なんてことを言われる患者様もいらっしゃいます。

とにかく、歯がしみる症状は日常的に多くの方が経験します。
その中でも多く見られるのが 知覚過敏（ちかくかびん）です。
今回は、歯がしみる原因と、知覚過敏を中心とした対策をわかりやすく解説します。

 

歯がしみる主な原因

 

歯がしみると一言でいっても、原因はいくつかあります。
まずは代表的な原因を見ていきましょう。

1. 知覚過敏（ちかくかびん）

 

知覚過敏は、冷たい・熱い・甘い・酸っぱいなどの刺激や、
ブラッシング時の力が加わったときに歯が瞬間的にしみる症状です。

歯の表面には「エナメル質」があり、その内側に「象牙質（ぞうげしつ）」があります。
象牙質には無数の細い管（象牙細管）が通っており、その奥には歯の神経があります。
エナメル質がすり減ったり、根元の歯ぐきが下がったりして象牙質が露出すると、
外からの刺激が細い管を通って神経に伝わりやすくなり、“しみる”症状が起こります。

これは知覚過敏のもっとも典型的な仕組みです。

2. むし歯

 

むし歯でもしみる症状が出ることがあります。
特に甘いものや冷たいものがしみる場合はむし歯の可能性があります。
とくに甘いものや温かいものでもしみる場合は危険です。
放置すると痛みは徐々に強くなり、治療の難易度も上がるため早めの受診が大切です。

 

3. 歯のひび割れ（クラックトゥース）

 

歯ぎしりや食いしばりが強い方は、歯に細かいひびが入り、
そこから刺激が神経に伝わってしみることがあります。
見た目では分かりにくいため、歯科での精密検査が必要です。

 

4. 歯ぐきの炎症や歯周病

 

歯周病が進むと歯ぐきが下がり、歯の根元（象牙質）が露出することでしみやすくなります。
歯ぐきの退縮は自然には戻らないため、早期のケアが重要です。

 

知覚過敏の原因をもっと詳しく

 

知覚過敏はさまざまな要因が重なって起こります。
代表的なものを歯科医師の視点からご紹介します。

1．強すぎるブラッシング

 

「よく磨こう」と思うあまり、力いっぱい歯みがきをしていませんか？
強いブラッシングはエナメル質をすり減らし、歯ぐきを傷つけて退縮させてしまいます。
すると、象牙質がむき出しになり、知覚過敏を起こしやすくなります。

2．酸性飲食物のとりすぎ（酸蝕症）

 

炭酸飲料、スポーツドリンク、柑橘系、ワインなど酸性の食品を多く摂ると、
エナメル質が弱くなり象牙質が露出しやすくなります。

３．歯ぎしり・食いしばり

 

無意識に強い力が歯にかかり続けると、エナメル質が欠けやすくなったり、
根元がくさび状に削られる「楔状欠損（けつじょうけっそん）」が起こったりします。
これもしみる原因に・・・。

４．加齢による歯ぐきの退縮

年齢を重ねると歯ぐきが下がり、歯の根が露出してしみる方が増えます。
日々のケアで予防することが大切です。

知覚過敏の対策（自分でできること）

 

知覚過敏の症状は、毎日の生活習慣を整えることで軽減できます。

1. 知覚過敏用歯みがき粉の使用

硝酸カリウムや乳酸アルミニウムなど、知覚過敏に効果のある成分が含まれた歯みがき粉を使用すると、
象牙細管をふさいで刺激を伝えにくくします。
継続して使うことが大切です。

2. やさしいブラッシングを心がける

 

・ペンを持つように軽く握る
・1本ずつ小刻みに動かす
・力を入れすぎない
これだけでエナメル質と歯ぐきへのダメージは大きく減ります。

3. 酸性の飲食物はダラダラと取らない

 

酸性の食品を口の中に長く留めると、エナメル質が溶けやすくなります。
食べた後は水で口をゆすぐと効果的です。

4. ナイトガード（マウスピース）の使用

 

歯ぎしりがある方は、寝ている間に装着するナイトガードで歯への負担を減らしましょう。
歯科医院で作製できます。

 

歯科医院で行う知覚過敏の治療

 

セルフケアで改善しない場合は、歯科での治療が有効です。代表的な治療を紹介します。

１．フッ素塗布

フッ素には歯の表面を強化する働きがあります。定期的に塗布することでしみにくい歯を作ります。

２．知覚過敏抑制剤の塗布

象牙細管を封鎖する薬剤を歯の表面に塗ることで、刺激が神経に伝わりにくくなります。
即効性があることが多い治療です。

３．コンポジットレジン充填（詰め物）

楔状欠損やエナメル質の摩耗が大きい場合は、歯と同じ色のレジンで覆うことで改善します。

４．歯周治療

歯周病が原因で歯ぐきが下がっている場合は、まず歯周病の治療が必要です。

 

しみる症状が出たら早めの受診を

「しみる＝知覚過敏」と思われがちですが、むし歯や歯のひびが原因の場合もあります。
早めの診断が、症状の悪化を防ぐポイントです。

とくに以下の症状がある場合は早めの受診をおすすめします。

• しみる症状が続く、または悪化している
• 何もしていなくても痛むことがある
• 最近歯ぐきが下がったように感じる
• 冷たいものだけでなく熱いものにもしみる

まとめ

歯がしみる原因の多くは知覚過敏ですが、その背景にはブラッシング習慣、食生活、歯ぎしり、歯周病などさまざまな要因があります。
知覚過敏用歯みがき粉の使用や、やさしいブラッシング、酸のコントロールなど、日々のケアで改善することも多いですが、
症状が続く場合は歯科医院で適切な治療を行うことが大切です。

歯がしみて困っている方は、お気軽にキャナルコート歯科クリニックまでご相談ください。

医療法人社団天白会キャナルコート歯科クリニック イオン東雲院およびキャナルコート歯科クリニック キャナル東雲院では、
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このブログの監修者

医療法人社団天白会

理事長

キャナルコート歯科クリニック　キャナル東雲

院長　

歯学博士　山田健太郎　日本口腔インプラント学会 専門医